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私自身の制服に関する考え

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「今週の土曜日(27日)午後1時半から。臼杵市中臼杵のうえむらブレッドで「制服を考える会」がありますので気軽に参加してみませんか?」

というご案内をしたところ、私自身の制服に関する考えを聞かれたので、思いつくままに書いてみました。

 

私は、制服がなくても問題なく学校生活を送ることができるのが理想だとおもっていますが、なかなかそう簡単ではないようで。

 

周りの人に聞くと「制服があって助かった」「他人の目がとにかく気になる中学生の時期に、本当に着たいものなど選べない」などといった声も多くありました。

 

なので今のところ現実的にベストなのは、「ジェンダーに関係なく選べる標準服がある」環境ではないかと思っています。

  • 標準服はあくまで望ましいと推奨された服装という認識で、強要されるものではない。(27日のゲストスピーカ-後藤富和さんのことばです)

  

制服が好きな人もいます。

でも制服を着たくない人もいます。

制服を着るのが嫌だ、という意志を示す生徒に無理に制服を着せる理由はないのではないでしょうか?

 

義務教育中の公立の中学生に本人が嫌がる服装を毎日強要するということだけでも十分人権に触れる課題がある、とする弁護士さんの説明を聞いたことがあります。

 

制服を着るのがなぜ嫌なのか?

 

もしかしたら理由はない(うまく言えない)という生徒もいるでしょうし、もしトランスジェンダーの自覚があれば、それはカミングアウトを強要することになる。

あざや傷があるから、アトピ-だから、とかいうプライベートな理由があるとするなら、その告白を強いることにもなります。

スラックスも自由に選べればそういう問題は解決します。

 

最近の渡辺直美さんのコメント(オリンピック演出の外見差別問題)にもあったように、外見によって人を評価したり差別したりする「ルッキズム」は時代遅れ?で、コンプレックスも含め自分らしさと向き合い「自分」を表現する力が大切だと。

 

その自分らしさの表現としてファッションを重視したいひともいるでしょう。

うちの子の友だちの中にも、髪をのばしたい男子や、自分に似合うスカ-トの丈を死守したい、という子がいました。

 

自分らしさって何だろう?

学校にふさわしい洋服や髪型はどういうものだろう?

 

それを考えさせることこそが、新学習指導要領がいうところの、「主体的で対話的な深い学びや、課題を見つけ解決しようとする心とその能力」を磨くことになるのではないでしょうか。

豊後大野市で来月から制服選択制がスタートするなど、ここのところ急速に校則や制服の見直しが広まっています。

福岡市では今年度から69校全ての市立中学校で選択制標準服が導入されました。

デザインは、市内ほぼ統一で、ブレザータイプの上着に、下はスラックスかスカート、もしくはキュロットを自由に選べるというものです。

 

2017年に一つの中学校から始まった見直しの動きが市全体に広がり、生徒会・保護者・地域・教員・校長会や教育委員会など様々な団体を巻き込んで検討がなされ実現しました。

70年も続いた制服が変更されたのは、子どもを中心に据えて試行錯誤できる真の連携があってこそ実現したものだと思います。

 

では、ここ臼杵市ではどのような状況なのかと考えて、私は昨年、周りにお願いして制服についてのアンケートを集めてみました。

 

70人ほどにうかがい様々な意見をもらいました。

 

「スカートを着るのが嫌で…。でもそれを周りに言えなかった」という性的マイノリティーの方の答えや、「そもそも学校の制服に男女の区別は要らないのではないか」という多様性に配慮した意見、ほかにも「冬場のスカートは寒い、おなかや腰回りの冷えは体によくない」といった健康や保護の視点、ほかに「詰め襟は首が窮屈だ」という男子の意見、自転車通学の女子からは「雨の日はかっぱを着てもびしょぬれになる」「風の日はスカートがめくれ上がる」「体育座りをするとパンツが見えそう」「そもそも活動的でない」といった機能性への疑問の声がありました。

 

もちろん、その一方で、伝統ある詰め襟とセーラー服に愛着を感じている人もいらっしゃいます。「風紀や規則を守ることや、一つの学校集団としてまとまりを持つことの大切さ、家庭の経済状態など格差への気遣いが必要」といった意見もありました。

 

学校の決まりに関しても、同様に、統一感ある規則が必要だとする人もいれば、髪型や靴下、靴、コートなどの細かい規定に疑問を感じる声もありました。

 

子どもたちが安心して快適に過ごせる環境をつくるのが、私たち大人の使命です。

同時に、子供には自分のことを自分で決める自己決定権があります。

 

アンケートの中で、中学2年の生徒が「学校内の決まり事を自分たちで対話しながら決めていけたらとてもいいと思います」と答えてくれました。

その言葉どおり、制服や学校の決まり事は、時代の流れを含め様々な面を考慮しながら、生徒が主体となって運用し、自ら見直しを繰り返していけるような環境が理想だと思われます。

 

そもそも「校則」とは・・・健全な学校生活を営み、より良く成長・発達していくため、各学校の責任と判断の下にそれぞれ定められる一定の決まりです。

校則自体は教育的に意義のあるものですが、その内容・運用は、児童生徒の実態、保護者の考え方、地域の実情、時代の進展などを踏まえたものとなるよう、積極的に見直しを行うことが大切です(文科省のHPより)。

 

文科省が示しているように、積極的に見直しを行うことが大切なのに、臼杵市の制服は50年以上?変わっていません。「変える」かどうかは別として「議論する」ことは必要だと考えます。

 

なるべくたくさんの人たちと一緒に考えていきたいです。